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【レビュー】イヤーフックで落下なし。心拍測定機能のついた『Powerbeats Pro 2』完全ワイヤレスイヤホン
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Powerbeats Pro 2 の気になるところ
ノイズキャンセリングはそれほど優秀ではない
AirPods Pro 2 と比較すると…
Powerbeats Pro 2 のレビューを見ていると、ノイズキャンセリングについては『AirPods Pro 2 に劣る』と言われています。
わたしの印象も残念ながら同じで、Beats Fit Pro と同じくらいのノイズキャンセリング性能だと感じます。
AirPods Pro 2 のノイズキャンセリング機能は最高峰と言われており、『装着すると静寂が訪れる』みたいな評価を受けることが多い印象がありますが、Powerbeats Pro 2 は飲食店の店内 BGM が聞こえたりもするので、静寂レベルのノイキャン性能は期待しないほうがいいと思います。
イヤピースを調整するとノイキャン性能がやや改善する
そんな本製品のノイキャン性能ですが、イヤピースをしっかりと調整すると、それなりのノイキャン性能を引き出すことができる、という話があります。
わたしもイヤピースのサイズを変えてみたところ、少しノイキャン性能が改善したと感じています。
とはいえ、いずれにしても、最上級レベルのノイキャン性能は期待しないほうがいいと思います。
ケースが大きい
この製品、『ケースが 33 % の小型化した』と謳われているのですが、この宣伝文句には、少しトリックがあります。
この数値の比較対象は、バカでかいケースを持つ初代 Powerbeats Pro のケースとなっています。

左から初代 Powerbeats Pro / Powerbeats Pro 2 / Beats Fit Pro。写真では伝わりにくいですが、初代のケースはポケットに入れるのは不可能なレベルの大きさです。
初代のケースよりは小さくなったものの、比較すればわかりますが Beats Fit Pro や AirPods シリーズのケースと比べると、本製品のケースはまだまだ大きいものです。

Powerbeats Pro 2 のケースと Beats Fit Pro のケースの大きさの比較。一回りほど Powerbeats Pro 2 のほうが大きい。

Powerbeats Pro 2 のケースと Beats Fit Pro のケースの厚みの比較。Powerbeats Pro 2 のほうが大分分厚い。
イヤーフック型のイヤホンということで、イヤピースの形状上ケースが大きくなる事は仕方のない一面もありますが、ケースが大き目という点には留意が必要です。
長時間着用時に、少し耳が痛くなる
わたしは耳が小さい方なのですが、本製品をしばらく着用していると耳が少し痛くなります。
イヤーチップの根元部分に膨らみがあり、それが耳の一部を押し広げるのか、硬いパーツが軟骨を圧迫し続ける様な痛みが発生します。
心拍測定、必要ある??
未来感はあり AirPods Pro 3 にも搭載された心拍測定機能ですが、必要だと思う人はどのくらいいるのでしょうか?
心拍数が気になる人はスマートウォッチやフィットネストラッカーで 1 日中測定しているでしょうし、その方が寝ている間も含めて長い時間しっかりとデータが採れます。
ウェイトトレーニングを行う際は、腕時計型のデバイスはジャマになる場合もあり、イヤホンで心拍測定できることはメリットだと思いますが、とはいえ、この機能を必要とする人・活用する人がどの程度いるのか疑問です。
スポーツ用イヤホンと心拍測定は親和性が高い印象があり、宣伝には有効なのでしょうし、実際にこの機能は本製品の宣伝上の目玉になっていたと思います。
しかし、この機能がなければ、イヤーピースの更なる小型化であったり、販売価格を抑えることも可能だったのではないかと思います。
個人的には、価格のつり上げや話題性のための機能なのではないかと感じてしまいます。
心拍センサーがなければ、イヤピースを更に小型化でき、耳の痛みの発生の可能性なども下げられたのではないかと思うので、個人的には残念に思っています。
ちなみにわたしは購入直後にこの機能を設定からオフにしました。
MagSafe 充電には対応していない
前作になかったワイヤレス充電機能が新たに搭載された本製品ですが、ワイヤレス充電は出来るのですが、MagSafe 充電には対応していません。
AirPods Pro 2 / 3 は MagSafe に対応しており、マグネット式充電器にパチっとつけて充電できるようですが、本製品はそれができません。
適応型オーディオにも非対応
ちなみに、AirPods Pro 2 / 3 が対応しているアクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを状況に応じて自動的に調整する機能である『適応型オーディオ』にも非対応です。
Apple の中での差別化なのかも知れませんが、発売時期を考えるとこういうポイントには不満を覚えます。
「探す」機能が AirPods Pro 2 と比較すると弱い
こちらも AirPods Pro 2 / 3 との比較になってしまいますが、AirPods Pro 2 / 3 には U1 /U2 チップがそれぞれ搭載されており、誤差数センチレベルの位置検出が可能になっているとのことですが、本製品は、詳細な位置検出はできないようです。
イヤーフックは形状を変えられない
初代の Powerbeats Pro はイヤーフックの形状を少し変えることができました。
これにより、装着感を調整する事ができ、様々は耳の形に対応できるようになっていました。
その点を高く評価していた人たちも存在していたのですが、今回、イヤーフックは形状を変えることができなくなっています。
耳の形が特殊な人、フィット感に強いこだわりを持つ人にとっては、機能劣化に映ると思います。
しかし、その反面、おそらくイヤーフックの形状が変えられることは、前述した充電失敗問題にも関連していた可能性があると思うので、トレードオフなのかも知れません。
個人的には、特にフィット感に問題を感じていないので、特に大きな問題ではないと感じています。
見た目が微妙な気がする
わたしは初代 Powerbeats Pro の見た目のほうが好きでした。
正直今回の製品の見た目は、一昔のビジネスマンのつけていた片耳 Bluetooth ヘッドセットのように見えてしまいます。
また、発売直前にゴルフトーナメントの TGL で Powerbeats Pro 2 の一斉お披露目がありましたが、わたし的にはそれがマイナスに働き、前述の印象が強まってしまいました。
年齢が高めのゴルフプレイヤーたちが、一昔前の Bluetooth ヘッドセットを連想させる本製品をつけてるだけでも微妙なのに、さらに片耳のみを使用していたりして、さらに一昔前の Bluetooth ヘッドセットをイメージしてしまい、一時期購入をためらっていました。
正面からの見た目も、前モデルと比較するとイヤホンが耳から少し突き出ている様な印象が強まった気がしていて、前のモデルのほうが良かったな、という印象を持っています。
ブラックモデルの b ロゴがホワイトになってしまった点も残念。
少し安っぽい印象になった気がするのと、前述のビジネスマンヘッドセット感を感じてしまったのもあり、いつもはブラックモデルに固執しているわたしも、今回はブラックを避け、クイックサンドのカラーを購入しました。
同じ H2 チップ搭載の AirPods Pro 2 のライフサイクルが終わりそうなタイミングで発売になった事
AirPods Pro 3 の発表が噂されているこのタイミングで AirPods Pro 2 と同じ H2 チップ、同じ価格帯で発売された本製品ですが、ここまでで述べた通り AirPods Pro 2 と比較すると性能では劣っている印象があります。
PowerBeats Pro 2 が AirPods Pro 2 に明確に劣る点
- ノイキャン性能は劣る
- 適応型オーディオなし
- MagSafe 非対応
- U1 / U2 チップを使った精緻な「探す」機能はない
本製品発売時に既にライフサイクルが終わりかけていた同価格帯の AirPods Pro 2 に劣る性能で発売された点は、非常にモヤモヤを感じるところです。
現在では AirPods Pro 3 が発売になり、AirPods Pro 3 は 2 よりノイキャン性能が 2 倍と謳われており、しかも心拍測定機能もついています。
スペックを比較した場合、よほどイヤーフック型にこだわりを持つ人でない限り、AirPods Pro 3 を購入するのではないでしょうか?
レビューでよく見かける「操作ボタンの位置が悪い」という問題について
この製品のレビューをみると、
「再生ボタンの場所が悪く、ボタンを押し込むとイヤホンを耳に押し込む形になるので痛い」
という趣旨のコメントをよく見かけます。
その点は、私個人的には、気になりませんでした。
同じ様な仕様の製品を何個も使ったことがあるからかも知れませんが、個人的には全く気になりません。
まとめ
本製品、別に悪い製品ではありません。
しかし、どうしても同じ Apple から出ている同価格帯の製品である AirPods Pro 2 が比較対象になってしまい、比較してしまうとイヤーフック型であるという点と、使用する人が多いとは思えない心拍測定機能しか勝っている点がない気がします。
さらに現在では AirPods Pro 3 も発売になっており、そちらにも心拍測定機能が搭載されました。
AirPods Pro 3 とどちらがおすすめか、と聞かれた場合、イヤーフック型に強い拘りを持つ人以外には、AirPods Pro 3 の方がおすすめ、と答えると思います。
とはいえ運動用と考えると、選択肢には十分入ってくるプロダクトだと思います。
気になる人は下のリンクからチェックしてみてください。
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