レビュー |
【レビュー】唯一無二のスクロール感の無線トラックボール『Kensington SlimBlade Pro』
イマイチなところ
他の多機能マウス・トラックボールに比べると、ボタンの数が少ない
SlimBlade Pro には、物理的にボタンが 4 つしかありません。
- 通常クリック
- 右クリック
で 2 つ消費し、
- 戻る
- 進む
で 2 つ消費するので、これで全てのボタンが埋まってしまいます。
Kensington Works という 設定ソフトウェアから、上下左右に隣り合う 2 ボタンの同時押しにもアクションを割り当てる事ができる ので、さらに 4 つのアクションを割り当てる事ができますが、同時押しはいまいち使い勝手が良くなく、個人的には使用していません。

設定ソフトの Kensington Works
わたしは一時期 Logicool MX Ergo を使っていた時期があるのですが、こちらはホイールクリックなどを含めて物理的なボタンが 8 つあったので、移行した直後は物足りなく感じました。
この点において、不満に感じる人はいると思います。
ゴミが溜まる
有線版から引き続きある不満点としては、通常のボールマウスやトラックボールと同様、 手垢やホコリによると思われる汚れが頻繁に溜まり、掃除が必要になる点 です。
トラックパッドやレーザーマウスでは起こらない問題だと思いますが、ボールを使用するポインティングデバイスでは必ず発生する汚れだと思われ、普通のボールマウスでも発生すると思いますし MX Ergo でも発生していました。
デバイスの特性上どうしても発生する問題なのだと思いますが、とはいえ、トラックボールの 挙動が不安定になるたびに掃除をするのは少し面倒 と感じます。
キーキーと異音がすることがある
こちらも有線版時代からある問題なのですが、このトラックボールを 操作した時に異音がすることがあります。
ボールをきれいに磨いた直後や、長期間使用していなかったものを使った際に鳴るような気がしていて、しばらく使用していると手の脂が作用するのか異音がしなくなっていく気がします。
たまに発生すると、ちょっと焦るので、不満点といえば不満点です。
この点については日本におけるケンジントン製品の販売代理店であるアコ・ブランズ・ジャパンの FAQ にも下記のような記載があり、仕様のようです。
Kensington:スリムブレードトラックボールのボール操作時の摩擦音について
三点の支柱でボールを支えており、操作時に僅かながら摩擦が発生するため操作音は「無音」ではありません。 ボールをアルコールやクリーナーで清掃を行うと表面の油分が奪われ、逆に摩擦音が発生する場合があります。
シリコンスプレーを使用するなどすると改善するようですし、現在使用している個体ではあまり発生していないので、最近は気になりませんが、購入を検討している人はこういう現象がある事自体は知っておいたほうがいいと思います。
卓上でスペースを取る
SlimBlade Pro は大きく開いた手のひらと同じ様なサイズ感です。

サイズ感はこんな感じ。コンパクトではないです。
多くのマウスやトラックパッドの大きさよりは大きく、場所を取ります。
マウスのように周辺にスペースを確保する必要はありませんが、それなりのスペースを占有します。
他人に使わせた時操作できない / イタズラされる
ちょっと変なデメリットとしては、職場などで、一瞬だけ他人に自分のパソコンを操作してもらう場面などがたまに発生することがあると思いますが、そういった場面になると、 使用したことがない人がトラックボールに戸惑ってしまうケースがよくあります。
また、ボールが簡単に外れることを前述しましたが、トラックボールの ボールを隠される・持っていかれるなどのイタズラもされがち です笑
交換用のボールがほぼない
わたしは、過去に赤いボールの SlimBlade Pro を持っていた時期があって、黒のボールに変更したいと思ったのですが、交換用のボールがサードパーティーをみても見つかりませんでした。
結局、グレーのバージョンを書い直してしまいましたが、 55mm のトラックボールの交換用ボールはあまり流通していないようでした。
あまり交換需要がないのでしょうが、他のサイズのボールは流通してたりしたので、少し残念でした。
ちなみに赤い 55mm のボールだけは、ペリックスというメーカーが製造しているようで流通していました。
ぺリックス PERIPRO-304 55 mmトラックボール 光沢仕上げ レッド過去にボタンが潰れたり、塗装が剥がれたことがある
わたしが以前に使っていた有線版の SlimBlade トラックボールでは、ボタンが故障し右クリックができなくなった事がありました。
また、ボールの周辺にあるリング状のパーツの塗装が剥がれてしまったことがありました。
同様のことが SlimBlade Pro で起こるかはわかりませんが、耐久性も気になるところです。
初期版には不具合があったり、ハードウェアもマイナーチェンジされている点
この製品がリリースされた直後にはネガティブアクセルというドリフト現象が確認され、不具合だと一部で話題になりました。
その後、対策ファームウェアがリリースされたりもしましたが、
- アップデートプログラムが Kensington からではなく代理店のサイトで公開される
- Windows でしかアップデートが不可能
- ポーリングレートが 125 Hz に下がり固定されてしまう、という報告があった
という事があり、製品の挙動、サポート体制含めて、やや不安に感じることがありました。
アコ・ブランズ・ジャパン、Bluetoothと有線, 2.4GHzワイヤレス接続に対応したKensingtonのトラックボール「Slimblade Pro」のファームウェア・アップデートを公開。
結局、現在ではポーリングレートを 125 Hz に抑えることで不具合を潰したファームウェアを搭載した製品が出荷されるようになったようで、特に不具合なく使用できていますが、初期にはこの様な問題がありました。
また、ハードウェアに関してもマイナーチェンジがあったようですし、黒モデルや白モデルが後から発売になったりと、リリースされてすぐに飛びついた民としては、少し微妙な思いもしたりしました。